『共産党を吾等が排撃する五つの理由』の第六章、全文(5810字)と要約(581字以下)
共産党の非合法的暴力的残忍非道の内乱戦術
共産党運動の毒悪性の第五は、その戦術が所謂合法的手段にあらずして、非合法的手段であり、具体的に言えば直接行動であり、暴力手段であり、更にこれを発展せしめた内乱の手段であることである。
昭和三年十二月二十二、二十三日、本所公会堂に於ける新労農党発会式席上に於ての河上肇博士の演説及びその決議に現れた、非合法的手段を採用するとの趣旨は、明かに共産党の戦術を表明したものと見なければならない。
日本共産党は、政党として結党されたとは云え、この政党は議会制度を是認して、議会を通じて、合法的手段によってその政策の実現を期するものでは断じてない。
彼等の根本目的は繰返し述べ来った如く、日本国家を根底より覆えし、日本国家を革命するにある。而してこの革命は、平和的穏和的でなく、過激的暴行的に行うというのである。
この趣旨は日本共産党の正式機関紙『赤旗』及び地方機関紙『赤色信越』等にも昭和三年、一、二月の交、政綱の注釈として発表されている。それによれば、共産党員が議会に参加するのは、議会を内面より爆破することにあるのである。議会を是認して参加するのではないのである。
今、日本共産党の機関紙『赤旗』に掲載された議会対策なるものを参考までに以下摘記して見よう。
ブルジョア議会に参加する共産党は、ブルジョア国家機関を内面より破壊する為めに参加するのである。あらゆる階級闘争は政治である。結局権力の闘争である。
ブルジョア議会を転覆し自己の権力を確立する為めには、ブルジョワ機関を其儘に継承することは出来ない。それを破壊して新しい国家機関即ちソビエトを作らなければならない。
共産党は、改良的法律を獲得する為めに、議会に参加するのではない。
ブルジョア国家の中心にある議会を、内部から破壊する為めである。階級闘争の主要なる点は、議会にあるのではない、大衆にある。議会はその一部分である。議会内に於ける闘争は階級闘争の根本問題を解決することは出来ない。
共産党は大衆闘争に依り、ブルジョア政権を奪取することを目的とする。大衆闘争は内乱にまで発展しなければならない。
この発展に対しての一つの補助的地点たるものが、議会である。共産党の議会参加の意義は、この補助的地点を占領する為めである。
共産党が斯かる指令を発して居る時に当って、彼等の機関紙たる『無産者新聞』準機関紙たる『労働農民新聞』の紙上には、盛んに
「検挙者を腕づくで取り戻せ」
「大衆の威力に怖れて警官等が逃げ散った」
「奴等をぶん殴れ」
「彼等を叩きのめせ」
「警察に押し掛けろ」
「腕と腕をしっかり組んでデモをやれ」
「△△ゴロツキをぶちのめせ」
「敵の演説会場を腕づくで占領しろ」
「警官を威圧して一歩も踏み込ませなかった」
「彼等は堂々と凱旋した」
等々の用語が乱発されたのである。
これ等は、皆共産党そのものが持っている根本戦術たる暴力戦術大衆闘争戦術の表現されたものに外ならない。而して暴力の行使、大衆闘争の展開等は、之悉く「内乱」の準備行為練習行動でなければならない。労働争議を悪化せしめ、騒擾化し、暴力化して来たのもそれである。一切が、内乱革命の予行演習、練習行動、準備運動でなければならないのだ。これが共産党の具体的戦術なのだ。
かくて、日本の無産党運動、労働運動、社会運動を悪化激化せしめて、大衆闘争に導き、進んで内乱にまで発展せしめようとする共産党運動の戦術は、ただ我が日本に於てのみでなく、各国共通の戦術である。
嘗ては無政府主義者なり、虚無党員なりが、この過激なる暴力手段を採っていたが、今日は、共産党特有のものとなったのである。而して各国共通であるという原因は、共産党が過激革命を主張するマルクス主義を共通に奉じている所から来ては居るが最も有力なる原因は、労農ロシアのモスコーに本部を置く国際共産党(コミンテルン)本部から世界共通に指令を発し、各国の運動者がこれによって行動するからである。
過激行動の例は、一九一七年七八月の交から十一月に亘る労農ロシアのレーニン、トロツキー等の革命運動に、最もよく現れて居るが、その後労農ロシアは、世界各国に、過激共産主義者を派遣して、第三インターナショナルの指令を伝え、各地の共産主義者及び労働者農民を煽動指導して、過激運動を起させたのである。
ラデツク、ベラクン、ヨツフェ、カラハン等は、ヨーロッパ・アジア方面に出動した巨頭であった。彼等のために、オーストリア、ハンガリーにソビエト政府が樹立され、ドイツにはスパルタクス団なる過激団体が生れ、ブルガリアでは、幾回かの過激騒擾が勃発し、中央アジアは労農ロシアに強圧的に隷属せしめられる事となった。
ドイツスパルタクス団の暴力的過激行動、ブルガリアに於ける教会爆破等は、共産党の過激戦術の最も顕著なるものであるが、我が日本に最も手近な例は、支那共産党の過激手段である。広東省に於ては、国民革命以来最近の共産党革命に至る迄の間、数十万の犠牲者を出し、漢口を中心とする湖南省に於ても、また北伐軍到着以来同じく数十万の無辜の国民が殺戮されている。支那共産党は、巧みに土匪暴民を煽動し、所謂土豪劣紳を捕縛監禁、而して虐殺を逞しうしている。
今日支那からは、労農ロシアから派遣されたボロチンや、ガロン将軍等は、自覚した国民党の手によってロシアに追い還されたが、共産党の運動は、今尚絶ゆることなく、依然として労農ロシアの指令を受け、極秘裡に団結し集合し、大会等も開いて、過激暴力運動を続けているのである。(支那共産党第六回及び第七回大会は極秘裡に開会されその大会記録は公然出版されている。)
かくて、各国に共通的に、共産党の暴動を起させるについては、各国に支部一個宛を作り、これをその国の共産主義革命運動の指導機関とし、総本部として置くのである。この支部に対して国際共産党(コミンテルン)は、時に応じ、事情に応じ、或る事件に対し、夫々細密に亘った指令を発するのではあるが、一貫徹底して何時何処に於ても、それに準拠すべき運動の根幹方針を成す所の方針書が授けて置いてあるのである。それは漸を追って順序を立て、宣伝煽動(所謂アジテーションで略して単にアジという)示威的大衆運動(所謂デモンストレーションで略してデモという)を行うべき手段を、明細に記述したもので、或いは労働者、或いは農民、或いは青年、或いは議会、或いは植民地、或いは軍隊、或いは戦時、或いはその煽動指導の対象体、及びこれを行うべき時機について分類し、極めて組織的の行動綱領を示したものである。これは所謂「革命操典」であって大体はブハーリンの案出に成る革命段階の原理に基いたものである。
ブハーリンは革命の順序を
一、思想革命 ――(イデオロギー革命で、共産主義一流の用語を普及させて、人間の考え方をこれによって変えて了うというのである)
二、政治革命 ――(時の政府には、如何なる政府にも反対し、君主国体ならそれを民主国体に変革し、それから共産主義的政府にまで変えて行こうというのである)
三、経済革命 ――(資本主義から共産主義の経済組織にしようとする)
四、社会革命 ――(共産主義社会の組織を意味する)
となるのであると説いている。
けれども、これを為すには資本主義と妥協してはいけない(ドイツの社会民主党や、英国の労働党やは、資本主義と妥協しているから、日和見だとか、裏切りだとか、言って攻撃して居る)而して時機さえ来れば段階の如何を問わず、否寧ろ時機と機会とを強いて作って、出来るだけ急激に革命を成就しなければならない。そして無産階級独裁政府(実は共産党幹部独裁政府)を作らなければならないというのである。
茲に於て過激暴力手段が必要となり、内乱にまで発展させねばならぬ大衆闘争手段が必要となるのである。
然らば「革命操典」は組織的に如何なる内容を以て革命の指導を与えているか。
今その大要を述べれば次の如くである。
一、労働者に対しては
同一の工場なり会社なりの全労働者を一個の組合組織とし、共産党員を幹部として、これを共産主義的革命的とし、各組合の連絡をつけ、大衆闘争の基本主力団体とする。
ニ、農民に対しては
小作組合を作らせ、これに共産党員が幹部として入り込み、極力争議を煽動し、これを悪化せしめ、又は仲裁の労を執るかの形をしながら、小作人間に共産主義を宣伝する。
三、青年に対しては
(イ)共産党員の経営する農民学校、労働学校を作り、又は既設の農民学校、労働学校に入り込み、教育の名の下に共産主義を青年に植付ける。
(ロ)各大学、各学校内に、共産主義の研究及び宣伝を内容とする社会科学研究会を設けさせ、これを宣伝及び実行機関とする。
(ハ)従来の少年団、青年団を破壊し、反対に、共産主義的の青年団を設ける。
四、議会に於ては
(イ)言論の自由を標榜し、曝露戦術を用い、共産主義を高唱し、国家の争議の争乱を促進し、同盟罷業、其他の革命運動、社会運動を声援する。
(ロ)議員として議会の秘密会に加わり、国家及び国際間の機密を探して、これを本部(労農ロシアに在る)に報告する。
五、植民地に対しては
(イ)自国の植民政策を攻撃して、植民地の独立運動を援助する。
(ロ)自国の軍隊に、属領の民衆に対する圧迫の不可を宣伝し、自国軍隊の植民地内不穏鎮圧を阻止し不能にする。
六、軍隊に対しては
(イ)各軍隊に共産党細胞を組織し、絶えず共産主義の宣伝を隊内に行わせる。
(ロ)軍隊内の宣伝は、監視厳重の為め困難であるから、入営前の壮丁に、共産主義思想を吹き込むことに極力努める。
(ハ)軍国主義に反対し、軍備の縮小を唱えて、国民の軍隊を支持する意志を喪失せしめ、一方、兵卒に対する虐待なるものを捏造して誇大的に宣伝し、将校と兵卒の間を離反し、軍の統制を不可能ならしめ、また軍人及び軍隊の名誉を傷つけるような事件を探し出し、若しくは捏造し、国民の軍隊に対する信頼の念を喪失せしめる。
七、戦時に於ては
(イ)戦争反対の言論を放ち、実際活動を起して、国民の戦争に対する支持的意志を喪失、若くは薄弱ならしめ、国民と軍隊との間に連絡を断ち、軍隊の士気を破壊沮喪せしめる。
(ロ)全国的総同盟罷業を煽動し、これを実行せしめて、戦争継続を不可ならしめ、遂に中止せしめる。
(ハ)殊に戦争に直接関係ある兵器工場、其他軍需品工場、鉄道、船舶等の労働者に罷業を行わせ、又一方火薬庫、兵器庫、発電所印刷所等を破壊して、自国軍隊の敗北、従って戦争中止を止むなきに至らしめる。
(ニ)戦争と同時に、植民地の反乱及び独立運動を起させる。
(ホ)軍隊内細胞の秘密活動により、軍紀を破り、戦争反対の空気を作らせる。
(へ)敗戦の機に乗じて、汎ゆる不満非難を動員し、政府攻撃に向かわしめ、政府転覆政権奪取に猛進せしめ、
(ト)敵飛行機及び敵艦の攻撃により、都市の住民の混乱する時に乗じ、火事を起させ、鉄道、水道、電線を破壊し、益々都会を混乱せしめ、一挙にして中央政権奪取に向う。
これによって見るに、如何に露国が悪辣非道なる手段を以て他国の内部を攪乱せんとしつつあるかが明白であると共に、この露国の指令を奉じて居る共産党なるものが、残忍非道なるものであり、自国民同胞をも、労農ロシアに売らんとする陰険極まる不逞意図を抱いているか、明白であらねばならない。
日本共産党が、我が日本官憲の手によって、遂に検挙せられるに至った根本原因は、天皇中心政治の日本国体を変革して、表面は「労働者農民の政府」即ち「無産階級独裁政府」事実に於ては「共産党幹部独裁政府」を樹立せんとする意図を抱いて居る処にある。が、日本国民として反対しなければならぬ根本理由は
一、国体変革の策動。
ニ、日本国家独立性の剝奪。
三、自国敗北主義。
四、政権奪取の為めの内乱戦術。
の四点にあるといわねばならない。殊に第四の政権奪取のための内乱戦術に至っては、同胞隣人を生活窮迫のドン底に投げ込み、その生命をも犠牲にせしめて、内乱即ち同胞相戮の惨劇をまで敢てせしめて、遮二無二に共産党幹部の政権欲を満たさんとするものであり、貪婪の極み、貪欲の限り、恐らくこれ以上の貪婪貪欲はあり得ないのであろう。
然らばこの共産党運動は、人類協同の敵であると断ぜねばならない。而して労農ロシアが、この残虐極まる共産党運動を指導し命令して、総本部をなしているとすれば、実に労農ロシアそのものが人類協同の不倶戴天の公敵であると断ぜねばならぬのである。
而も尚共産党一派、共産主義者は「労働者の生活向上の為め、福利増進のため」に共産党運動をすると得々と号称しているのであるが、今日までの彼等一派の策動のために、彼等の同階級にあるという労働者の如何に多くを犠牲にしたるか、労働争議悪化のために、官憲の為めに捕われ、囹圄の苦しみを受け、或いは無理矢理に起された労働争議のために犠牲とされ、失業の悲境に投げ込まれ、永久に家族飢えに泣くの惨劇を続けつつあるもの著しく多数に達しつつあるという有様である。
それで果たして労働者の福利増進の為めということが出来るであろうか。
更に共産党の根本戦術である暴力的過激手段は、如何なる結果を生むか。其の戦術として公然指令している、火薬庫、兵器廠、印刷所、発電所の破壊のために、直接に労働者の受くる惨苦は如何なるものであろうか。直接には、其処に従事する労働者の生命を奪い、職業を奪う上に、間接には、それが為めに燃料を奪われ、燈火を奪われ、其他多くの生活上必要なる物件を奪われ、生活の不自由、生活の苦境、名状すべからざる情況に達せざるを得ないのである。
殊に敵飛行機及び敵艦の砲撃により、都下住民の混乱せるに乗じ、放火して火事を起させ、鉄道、水道、道路、電線を破壊し、益々都市を混乱せしめ、一挙にして中央政権の奪取に向うというに至っては、労働者を売るも甚だしいといわなければならない。何となればその為めに糧道を奪われ、逃げ路を奪われ、燈火を奪われ、暗黒裡に泣き叫ぶ都市住民の大部分は無産階級であり、労働者であるからである。
要約
- 日本共産党は、政党として結党されたとは云え、この政党は議会制度を是認して、議会を通じて、合法的手段によってその政策の実現を期するものでは断じてない。
昭和三年十二月二十二、二十三日、本所公会堂に於ける新労農党発会式席上に於ての河上肇博士の演説及びその決議に現れた、非合法的手段を採用するとの趣旨は、明かに共産党の戦術を表明したものと見なければならない。日本共産党は、政党として結党されたとは云え、この政党は議会制度を是認して、議会を通じて、合法的手段によってその政策の実現を期するものでは断じてない。彼等の根本目的は繰返し述べ来った如く、日本国家を根底より覆えし、日本国家を革命するにある。
- それによれば、共産党員が議会に参加するのは、議会を内面より爆破することにあるのである。
この趣旨は日本共産党の正式機関紙『赤旗』及び地方機関紙『赤色信越』等にも昭和三年、一、二月の交、政綱の注釈として発表されている。それによれば、共産党員が議会に参加するのは、議会を内面より爆破することにあるのである。議会を是認して参加するのではないのである。
- 議会を是認して参加するのではないのである。
それによれば、共産党員が議会に参加するのは、議会を内面より爆破することにあるのである。議会を是認して参加するのではないのである。今、日本共産党の機関紙『赤旗』に掲載された議会対策なるものを参考までに以下摘記して見よう。
- ブルジョア議会に参加する共産党は、ブルジョア国家機関を内面より破壊する為めに参加するのである。
今、日本共産党の機関紙『赤旗』に掲載された議会対策なるものを参考までに以下摘記して見よう。ブルジョア議会に参加する共産党は、ブルジョア国家機関を内面より破壊する為めに参加するのである。あらゆる階級闘争は政治である。
- 共産党は、改良的法律を獲得する為めに、議会に参加するのではない。
それを破壊して新しい国家機関即ちソビエトを作らなければならない。共産党は、改良的法律を獲得する為めに、議会に参加するのではない。ブルジョア国家の中心にある議会を、内部から破壊する為めである。
- ブルジョア国家の中心にある議会を、内部から破壊する為めである。
共産党は、改良的法律を獲得する為めに、議会に参加するのではない。ブルジョア国家の中心にある議会を、内部から破壊する為めである。階級闘争の主要なる点は、議会にあるのではない、大衆にある。
- 階級闘争の主要なる点は、議会にあるのではない、大衆にある。
ブルジョア国家の中心にある議会を、内部から破壊する為めである。階級闘争の主要なる点は、議会にあるのではない、大衆にある。議会はその一部分である。
- 共産党は大衆闘争に依り、ブルジョア政権を奪取することを目的とする。
議会内に於ける闘争は階級闘争の根本問題を解決することは出来ない。共産党は大衆闘争に依り、ブルジョア政権を奪取することを目的とする。大衆闘争は内乱にまで発展しなければならない。
- 大衆闘争は内乱にまで発展しなければならない。
共産党は大衆闘争に依り、ブルジョア政権を奪取することを目的とする。大衆闘争は内乱にまで発展しなければならない。この発展に対しての一つの補助的地点たるものが、議会である。
- 共産党の議会参加の意義は、この補助的地点を占領する為めである。
この発展に対しての一つの補助的地点たるものが、議会である。共産党の議会参加の意義は、この補助的地点を占領する為めである。共産党が斯かる指令を発して居る時に当って、彼等の機関紙たる『無産者新聞』準機関紙たる『労働農民新聞』の紙上には、盛んに「検挙者を腕づくで取り戻せ」「大衆の威力に怖れて警官等が逃げ散った」「奴等をぶん殴れ」「彼等を叩きのめせ」「警察に押し掛けろ」「腕と腕をしっかり組んでデモをやれ」「△△ゴロツキをぶちのめせ」「敵の演説会場を腕づくで占領しろ」「警官を威圧して一歩も踏み込ませなかった」「彼等は堂々と凱旋した」等々の用語が乱発されたのである。
- )かくて、各国に共通的に、共産党の暴動を起させるについては、各国に支部一個宛を作り、これをその国の共産主義革命運動の指導機関とし、総本部として置くのである。
(支那共産党第六回及び第七回大会は極秘裡に開会されその大会記録は公然出版されている。)かくて、各国に共通的に、共産党の暴動を起させるについては、各国に支部一個宛を作り、これをその国の共産主義革命運動の指導機関とし、総本部として置くのである。この支部に対して国際共産党(コミンテルン)は、時に応じ、事情に応じ、或る事件に対し、夫々細密に亘った指令を発するのではあるが、一貫徹底して何時何処に於ても、それに準拠すべき運動の根幹方針を成す所の方針書が授けて置いてあるのである。
- 一、労働者に対しては同一の工場なり会社なりの全労働者を一個の組合組織とし、共産党員を幹部として、これを共産主義的革命的とし、各組合の連絡をつけ、大衆闘争の基本主力団体とする。
今その大要を述べれば次の如くである。一、労働者に対しては同一の工場なり会社なりの全労働者を一個の組合組織とし、共産党員を幹部として、これを共産主義的革命的とし、各組合の連絡をつけ、大衆闘争の基本主力団体とする。ニ、農民に対しては小作組合を作らせ、これに共産党員が幹部として入り込み、極力争議を煽動し、これを悪化せしめ、又は仲裁の労を執るかの形をしながら、小作人間に共産主義を宣伝する。
- ニ、農民に対しては小作組合を作らせ、これに共産党員が幹部として入り込み、極力争議を煽動し、これを悪化せしめ、又は仲裁の労を執るかの形をしながら、小作人間に共産主義を宣伝する。
一、労働者に対しては同一の工場なり会社なりの全労働者を一個の組合組織とし、共産党員を幹部として、これを共産主義的革命的とし、各組合の連絡をつけ、大衆闘争の基本主力団体とする。ニ、農民に対しては小作組合を作らせ、これに共産党員が幹部として入り込み、極力争議を煽動し、これを悪化せしめ、又は仲裁の労を執るかの形をしながら、小作人間に共産主義を宣伝する。三、青年に対しては(イ)共産党員の経営する農民学校、労働学校を作り、又は既設の農民学校、労働学校に入り込み、教育の名の下に共産主義を青年に植付ける。
- 三、青年に対しては(イ)共産党員の経営する農民学校、労働学校を作り、又は既設の農民学校、労働学校に入り込み、教育の名の下に共産主義を青年に植付ける。
ニ、農民に対しては小作組合を作らせ、これに共産党員が幹部として入り込み、極力争議を煽動し、これを悪化せしめ、又は仲裁の労を執るかの形をしながら、小作人間に共産主義を宣伝する。三、青年に対しては(イ)共産党員の経営する農民学校、労働学校を作り、又は既設の農民学校、労働学校に入り込み、教育の名の下に共産主義を青年に植付ける。(ロ)各大学、各学校内に、共産主義の研究及び宣伝を内容とする社会科学研究会を設けさせ、これを宣伝及び実行機関とする。
- (ハ)従来の少年団、青年団を破壊し、反対に、共産主義的の青年団を設ける。
(ロ)各大学、各学校内に、共産主義の研究及び宣伝を内容とする社会科学研究会を設けさせ、これを宣伝及び実行機関とする。(ハ)従来の少年団、青年団を破壊し、反対に、共産主義的の青年団を設ける。四、議会に於ては(イ)言論の自由を標榜し、曝露戦術を用い、共産主義を高唱し、国家の争議の争乱を促進し、同盟罷業、其他の革命運動、社会運動を声援する。
- 四、議会に於ては(イ)言論の自由を標榜し、曝露戦術を用い、共産主義を高唱し、国家の争議の争乱を促進し、同盟罷業、其他の革命運動、社会運動を声援する。
(ハ)従来の少年団、青年団を破壊し、反対に、共産主義的の青年団を設ける。四、議会に於ては(イ)言論の自由を標榜し、曝露戦術を用い、共産主義を高唱し、国家の争議の争乱を促進し、同盟罷業、其他の革命運動、社会運動を声援する。(ロ)議員として議会の秘密会に加わり、国家及び国際間の機密を探して、これを本部(労農ロシアに在る)に報告する。
- 五、植民地に対しては(イ)自国の植民政策を攻撃して、植民地の独立運動を援助する。
(ロ)議員として議会の秘密会に加わり、国家及び国際間の機密を探して、これを本部(労農ロシアに在る)に報告する。五、植民地に対しては(イ)自国の植民政策を攻撃して、植民地の独立運動を援助する。(ロ)自国の軍隊に、属領の民衆に対する圧迫の不可を宣伝し、自国軍隊の植民地内不穏鎮圧を阻止し不能にする。
- 六、軍隊に対しては(イ)各軍隊に共産党細胞を組織し、絶えず共産主義の宣伝を隊内に行わせる。
(ロ)自国の軍隊に、属領の民衆に対する圧迫の不可を宣伝し、自国軍隊の植民地内不穏鎮圧を阻止し不能にする。六、軍隊に対しては(イ)各軍隊に共産党細胞を組織し、絶えず共産主義の宣伝を隊内に行わせる。(ロ)軍隊内の宣伝は、監視厳重の為め困難であるから、入営前の壮丁に、共産主義思想を吹き込むことに極力努める。
- 三、自国敗北主義。
ニ、日本国家独立性の剝奪。三、自国敗北主義。四、政権奪取の為めの内乱戦術。
- 四、政権奪取の為めの内乱戦術。
三、自国敗北主義。四、政権奪取の為めの内乱戦術。の四点にあるといわねばならない。
- の四点にあるといわねばならない。
四、政権奪取の為めの内乱戦術。の四点にあるといわねばならない。殊に第四の政権奪取のための内乱戦術に至っては、同胞隣人を生活窮迫のドン底に投げ込み、その生命をも犠牲にせしめて、内乱即ち同胞相戮の惨劇をまで敢てせしめて、遮二無二に共産党幹部の政権欲を満たさんとするものであり、貪婪の極み、貪欲の限り、恐らくこれ以上の貪婪貪欲はあり得ないのであろう。